Bicepとは、Azureのリソースをデプロイするために設計された言語です。Azure Resource Managerの改訂版で、jsonよりも学習コストを減らし、分かり易く記述するためのものとして開発されました。
今回はBicepを利用して最も簡単な構成、Azureストレージアカウントを1つ作ります。オペレーションのローカルマシンはWindowsです。
ログインとリソースグループの作成
Powershellを立ち上げ、まずAzure環境にログインします。
az login
東京リージョンにリソースグループを作成します。
az group create --name myRG --location japaneast
Bicepファイルの作成
Bicepファイルを作成し保存します。ファイル名は “main.bicep” とします。
// パラメータの定義:デプロイ時に指定するストレージアカウント名
param storageAccountName string
// リソースの定義:ストレージアカウントを作成する
resource stg 'Microsoft.Storage/storageAccounts@2023-01-01' = {
// ストレージアカウントの名前(指定されたパラメータを使う)
name: storageAccountName
// 作成先リージョン(デプロイ対象のリソースグループと同じ場所)
location: resourceGroup().location
// SKU(ストレージの性能・冗長性)→ 最も一般的な Standard_LRS を使用
sku: {
name: 'Standard_LRS'
}
// ストレージの種類:Blob, File, Queue などすべて使えるタイプ
kind: 'StorageV2'
// その他の設定(今回は省略)
properties: {}
}
Azureリソースのデプロイ
Powershellで以下を実行し、Bicepで定義したリソースをデプロイします。
$storageName = "myuniquestorage$(Get-Random)"
az deployment group create `
--resource-group myRG `
--template-file main.bicep `
--parameters storageAccountName=$storageName
Azureのストレージアカウント名はグローバルで一意である必要があるため、一行目でGet-Randomを使ってランダムな名称を作っています。
Azure Portalからも作成したストレージアカウントが確認できます。

リソースの削除
最後に不要なリソースをリソースグループごと削除しておきます。
az group delete --name myRG --yes